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【シミュレーション仮説入門】 私たちは仮想世界の住人なのか!?

記事の内容

今回の記事では、一部の人の中では話題な「シミュレーション仮説」というものを紹介する。わかりやすく教えてくれるいい本が見つかったからだ。

 

 

私たちの世界は、何者かによって作られたシミュレーションの世界である

 

この驚愕的な説こそ、シミュレーション仮説だ。荒唐無稽に見えるかもしれないが、学者たちが真面目に考えついた説である。もちろん、それを指示するいくつかのデータもある。

 

今回の記事では、本書から主要な論点をまとめてみたい。

 

 

 

 

 

 

なぜ知能を持った存在は、シミュレーションをするようになるのか?

 

色々な可能性を検証したいから。世界ごと、シミュレーションで再現する。

 

 

シミュレーション仮説をさらっと動画で見てみたい人は次のがいいかも。

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

なぜ私たちはシミュレーションの中にいると言えるのか?

 

シミュレーション世界を作り出せるようになった生命体の人口は、現実世界の人口とシミュレーション世界の人口を足したものになる。何百万通りものシミュレーションを試すならば、シミュレーション世界の人口の方が圧倒的に多くなる。

 

だから、私たちはシミュレーション世界にいる確率が高い。

 

問題は心をシミュレーションすることは可能かどうか。

 

 

 

 

自然科学による根拠

 

重力、電磁力、核力などが、ちょうどよく設定されている。

進化論で説明が難しいような生物の特徴が見つかる例がある。


超ミクロな世界では、とびとびになっている。量子飛躍など、デジタル的。自然の本質はデジタルだ。私たちの世界は、一見するとアナログだが、実はデジタルなのだ。

 

なぜこの世界は数式で表現できるのか?アインシュタイン「この世界で最も理解しがたいことは、この世界が理解可能であることだ」と言った。

私たちの世界はよく見るとデジタル。コンピューターフレンドリーな仕組みになっている。

 

 

 

 

意識をコンピュータで再現できるかが鍵

 

しかし、意識、クオリアの謎は現状説明がついていない。私たちの心、意識がコンピュータ上で再現可能かどうかが、シミュレーション仮説の大きな争点になる。

 

 

現在と異なるパラダイムに則ったコンピュータも出てくるはず。そうなると、意識もシミュレーション可能になるか?けれど、そうなると今度は、コンピュータはデジタルな処理をするという前提が変わっているのかも。

 

 

 

 

ポストヒューマンとは何者か?

 

意識、心をシミュレーションできるようになった存在をポストヒューマンと呼ぶことにしている。

 

未来人、宇宙人、AI、などなど色々な可能性が考えられる。私たちの世界とは、異なる物理法則の世界の住人である可能性もある。その場合、とんでもなく性能の良いコンピュータを持っているかもしれない。

 

 

 

 

シミュレーションの目的は?

 

・賢者型シミュレーション
シミュレーションすることで、その世界から新たなアイデアをもらうことができる。たくさんのシミュレーション世界を作れば、それだけ独創的なアイデアも増える。ゼロから何かを生み出せるため、何が出来上がるかが分からないというところが価値。

 

こちらは半永久的にシミュレーションが続く。だから、こちらのシミュレーション世界にいる人口は増えていく。つまり、私たち人類の宇宙も賢者型シミュレーションにある可能性が高い。


・目的別シミュレーション
こちらはある目的のためのシミュレーション。実行時間は短く、規模も限定的。目的を達成した瞬間に強制終了させられるはず。

 

 

いずれにせよ、ポストヒューマンの発展のために、シミュレーション世界は利用されている。「不完全な神が、完全に近づくために宇宙を創った」と筆者は例えている。

 

 

 

 

 

戦争や貧困で苦しむ私たちを、なぜほったらかすのか

賢者型シミュレーションでは、ポストヒューマンは「不介入」でありたい。なぜならば、介入したならばオリジナル度が減るからだ。それに、メンテナンスが楽なシステムの方がいい。

 

 

 

光の速度を超えられないのはなぜか

 

通常、科学が扱えるのは、howだけ。科学に、whyは問えない。

物理法則がなぜそうなっているのか、答えが出せないのだ。

 

しかし、シミュレーション仮説を前提にすれば、物理法則にポストヒューマンの意図が隠されている、と思考できる。

つまり、whyを問える。

 

光の速度上限が決まっているのは、コンテンツの多様性を保つためかもしれない。

光速度に限界があるから、宇宙人の発見や、彼らとのやりとりが難しい。シミュレーション世界に存在する文明が、完全に独立して進歩するのが、ポストヒューマンの狙いだから。

 

もし、シミュレーション仮説が正しいとわかったならば、この世に目的があるということになる。

 

 

ここの物理法則の狙いを説明できるというのはおもしろかった。こう考えれば、確かに納得できるような答えが出てくるかもしれない。いろんな説が出てきて欲しい。

 

 

 

 

個人的な感想

 

シミュレーション仮説において、キーとなるのは、「意識をシミュレーションできるかどうか」という点だ。

現状、意識の謎を解く原理原則は見つかっていない。心と脳の関係を整理する「心の哲学」という分野の知識がある人は、この「意識の謎」という問題の大きさが分かるはずだ。

心、意識をシミュレーションすることは、現時点ではとても難しいと思う。心、意識は絶対にシミュレーションできない、と述べる学者もいるからだ。けれど、科学に新たなパラダイムが生まれれば、どうなるのかは分からない。

 

「心」の謎の不思議さがわかる本を紹介しておきたい。

 

 

 

 

本書でも、もっと深い説明が欲しかった。それこそ、シミュレーション仮説への批判意見もまとめて欲しかった。シミュレーション仮説への学術的な批判を調べてみたい。

 

けれど、シミュレーション仮説にはある程度の説得力がある。とても、魅力的な説だと思う。人類の進歩は、シミュレーション仮説を検証できるまで進歩していくのだろうか?長生きしたくなる。

 

 

ぜひ詳しくは本書を読んで見て欲しい。

 

 

 

 

 

 

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