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映画感想「ゆれる」 あなたと共に揺れる真相

何が揺れるのか

映画「ゆれる」、みなさんはどんな感想を持ったでしょうか?

 

この映画では、あらゆるものが文字通り揺れていきます。

 

この記事では、たくさんのものが不安定になる中で、最終的に見えてくる確からしいものに迫ります。

 

この記事を読み終えると、この映画とともに、さらに「揺れる」ことができるでしょう。

 

 

あらすじ

ゆれる

ゆれる

 

 

故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟・猛。母親の法事で久々に帰省し、兄・稔が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・智恵子と再会する。猛と智恵子とは一夜を過ごし、翌日、兄弟と彼女の3人で渓谷へ遊びに行く。猛が智恵子を避けるように写真を撮っているとき、智恵子が渓流にかかる吊り橋から落下する。その時、近くにいたのは稔だけだった。事故だったのか、事件なのか、裁判が進むにつれて兄をかばう猛の心はゆれ、最後には証言台に立ってある行為を選択する。

 

ゆれる - Wikipedia

 

 

 

感想

 

「ゆれる」
まさにタイトル通りな映画だ。

 

兄弟という関係。
揺れ動いていくのは、この「関係」である。

 

素晴らしいのは、2時間という時間の中に「変化」が詰まっていることだ。あくまでも映画は2時間だが、その背景には兄弟二人が成長してきた長い時間の存在が見てとれる。

 

その関係の変化に付随し、揺れ続けるものがある。それは「真相」だ。

 

ゆれる真相。一つの確固とした答えがある上で、ゆれているのか、それとも、そんなものは存在しないのか。

 

ただ一つの真実を追い求めてしまうのが人間ではある。しかし、一般に、真実なんていうものは存在しない。あるのは、ある人間から見た "解釈" だけだ。この映画でも、真相のゆれとはつまり、弟タケルの「信じたいこと」の表れだった。そう、真実は心の状態に左右されてしまう。

 

その先に、兄弟の中で、どう真実の落とし所を見つけるのか。法の中でのケリじゃない、あくまでも、 "二人" がどうケリをつけるのか、だと思う。

 

映画の中での兄弟の心の揺れと、見ている私自身の心の揺れ。この二重の揺れを楽しむことで、より映画に感情移入できる。

 

そして、この映画のラスト。彼ら二人の関係がたどり着いた場所。これをどうとらえればいいのだろう。オダギリジョー演じるタケルの叫び、そして兄ミノルの表情。とても余韻に残る終わり方だった。

 

 

 

兄弟


兄弟という関係、とても不思議だ。同じ親のもとで育ち、子供の頃はずっと一緒にいる。それが成長し、どんどん距離は離れていく。関係がものすごいスピードで変化していく。その関係はどんなところにおちつくのだろうか。

 

兄弟が実際にいる人は、自分たちの関係を考えざるえないと思う。この映画を見て、私は子供の頃の弟との思い出が蘇った。そして、今の自分たちの関係を見つめ直してしまう。

 

オダギリジョー香川照之、兄弟に見えますかね...?演技はそりゃうまいけど、キャスティングもう少しどうにかならなかったのか...

真木よう子はとんでもなく綺麗。

 

 

 

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まとめ

・真実と人の解釈の関係

・兄弟の歴史と心理

 

この二つが揺れていく映画です。

繊細な人間心理を描いた映画として、とてもおすすめできます。