記事の内容
ネットフリックスにて公開された新作「インザトールグラス 狂気の迷路」。
早速見たので、ネタバレ感想を書いていきたいと思います。
人の背丈よりも高い「草」の迷路にかこまれ、出られなくなってしまうというストーリー。タイトルに「狂気」とあるとおり、ただでは終わらないスティーブンキングらしさの出た不気味なホラー映画でした。
ぞわっと、気軽に楽しめるホラーです。
さっそく、ネタバレを書いていきます。
「草」がとんでもなく怖い
さて、詳しいネタバレになる前に、この映画の最大の見どころに触れておく。
それは、「草」。
人の背丈よりも高い草原が一面に広がっている。このどこまでも続く、緑の面からは、とても「自然の恐怖」を感じる。
人間にはどうすることもできないという自然に対する恐怖が、じわじわと襲ってくる。
そして、その中で迷ってしまうという恐怖がリアルに描かれている。ただの草原ではないということも徐々にわかり、その恐怖はなかなか他のホラー映画では味わえない。
「背の高い草の迷路」は、シンプルな設定なのに、恐怖感がものすごい!!
この恐怖は、予告を見て感じてもらうのがいいだろう。
一面の緑が、まるで人間の脳のようにも見える。
意思を持った「緑」のよう。
この中に迷い込んだら、不思議な要素がなくても怖い!!
ストーリー ネタバレ
車で移動しているベッキーとカル。
ベッキーは妊娠しており、どうやらこどもを養子に出すために移動しているよう。
車を止めていると、背の高い草原のなかから、子供の声が聞こえてくる。
「たすけて、ここから出られないんだ」と。
子供をたすけるために、二人は草原の中へと入っていってしまう。
その草原の中では、お互いの位置が特定できない。二人は迷ってしまう。
叫んでいる少年の名は、トービン。トービンとカルは出会うが、トービンによって大きな岩のあるエリアに導かれてしまう。
一方、ベッキーはトービンの父であるロスとであう。ロスの様子はどこかおかしい。
舞台は2か月後へ
場面は変わり、トラヴィスというキャラクターが登場する。
彼は、消息不明となったベッキーとカルを探しに来たのだ。ベッキーの子の父親こそ、彼である。
そんなトラヴィスも草の中の迷路へと踏み込んでしまう。
そこで、トービンと遭遇する。トービンのほうは、トラヴィスを知っているようだ。
そう、この二つの家族は、ループしていたのだ。どちらが先かわからない。どちらが原因になっているのかはわからない。
もう一つのポイントが大きな岩の存在。
触れた人間を狂わせてしまうのだ。
岩に触れたロスは、他のみんなを岩に触れさせようとする。従わない妻の頭をつぶして殺す。
人間関係の結末
自分の子供をおろすようにようにベッキーに迫ったトラヴィス。
実の妹へのゆがんだ愛情をむけるカル。
ロスが何を抱えていたのかは描かれないが、岩に魅了され、自分の家族すら殺してしまう。
ロスは岩に触れたことにより、迷路の中の近道を知ることができたのだ。
ベッキーたちも、追い詰められてしまう。
そして、カルやベッキーのことも狙い、殺してしまう。その周りには、たくさんのカルとベッキーの死体が。
つまり、このロスによる殺害も、何度もこの草原のなかでは繰り返されていることになる。
なんとか、トラヴィスはロスを打ち倒す。
そして、自分から岩に触れる。
そうすることによって、トービンを出口へと逃がそうとしたのだ。
外に出たトービンは、草原に入ろうとしているカルとベッキーの二人に遭遇する。
トービンは、「入ってはダメだ」と二人を制する。二人は、草原に入るのをやめる。
そして、ベッキーは気が変わり、自分でおなかの子を育てようと来た道を引き返すことにする。
その様子を、トラヴィスは草原の中から静かに眺めていた。
岩の正体とは?考察
劇中にでてくる最も不思議な存在こそ、大きな岩である。
不思議な草原の根源ともいえるのが、あの岩だろう。
岩の表面には、象形文字のようなもので、赤子を生贄に捧げる?ような模様が描かれている。
ここから、最終的な狙いはベッキーの赤子だということがわかる。何度も何度もこのループを繰り返してきたのだ。
赤子とは、始まりを暗示する。人間のはじまりであり、このループの原動力のようなものなのではないか?
そして、岩とこのループは、「人類の暴力の歴史」の象徴なのではないか?
アメリカの中心という言葉からわかるように、アメリカの歴史も反映している。
インディアンが虐殺されたという歴史も、おおきく反映しているはずだ。
暴力という人類の血の歴史。
これを今まさに、人類に突きつける機能が、あの岩の目的だったのではないか。
人類が争いの運命から逃れられないということのモデルが、今回のループの登場人物たちだった、そう思われる。
感想
みなさんはどんな感想をもったでしょうか?
個人的には、前半の雰囲気がつづいてほしかったです。
後半の展開はありきたり、という印象です。
せっかく昼間の草の描写がいいのに、夜のシーンが多すぎるのも残念なところでした。
おすすめ記事