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「アメリカン・ビューティー」解説・感想・解釈 ラストの意味と『癒し』

なんだかとても癒された映画

映画「アメリカンビューティー」、みなさんはどんな感想を持ったでしょうか?

 

はたから見たら痛い行為を通して、おっさんが自分を変えていく映画です。

 

実は、メッセージが深く、それに癒された私がいました。

 

なぜなら、不思議で深いある感覚に関係のある映画だからです。社会学宮台真司さんの本でも、この映画について言及しています。

 

この記事では、一歩深く掘り下げて見たいと思います。

 

記事を読み終えると、別の角度からこの映画を見つめ直せます。この映画を見て感じる不思議な感覚の正体に迫れるはずです。

 

あらすじ

アメリカン・ビューティー [Blu-ray]

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広告代理店に勤め、シカゴ郊外に住む42歳のレスター・バーナム。彼は一見幸せな家庭を築いているように見える。

しかし不動産業を営む妻のキャロラインは見栄っ張りで自分が成功することで頭がいっぱい。娘のジェーンは典型的なティーンエイジャーで、父親のことを嫌っている。レスター自身も中年の危機を感じていた。

そんなある日、レスターは娘のチアリーディングを見に行って、彼女の親友アンジェラに恋をしてしまう。そのときから、諦めきったレスターの周りに完成していた均衡は徐々に崩れ、彼の家族をめぐる人々の本音と真実が暴かれてゆく。   wikiより

 

 

 

おすすめ解説動画


町山智浩の映画塾!「アメリカン・ビューティー」<予習編> 【WOWOW】#176


#142『今こそ“悪”についての話をしよう!〜超絶傑作映画「アメリカン・ビューティ」完全解説スペシャル!!』|山田玲司のヤングサンデー第82回

 

こちらは予告編。


American Beauty Trailer

 

 

 

気になったシーン ある「感覚」

・静的な映像

青年リッキーは映像を撮る。
ただただ、ビニール袋が宙に舞っている映像などだ。
そこには、「生き物」の影は見えない。派手さもない。けれど、どうしてか私は、その映像に浸っていた。どこか癒される自分を感じた。この「感覚」の正体は何か。

 

・リッキーのまなざしの先

頭を撃ち抜かれた主人公の死に顔を見る、リッキー青年。
彼の表情がとても印象的だった。目の前にあると共に、ここにはない何かに思いをはせるような表情。彼はそこに何を見ていたのだろうか。

 

 

社会学者 宮台真司

これらシーンで感じた「感覚」を言語化したい。言語化するに役立つ概念として、社会学宮台真司の用語を参照する。それは、私と「世界」の関係、そして、私のアイデンティティの問題に関係する概念たちだ。

 

「名状しがたい、すごいもの」という概念を用いて、これら問題を整理しようとする。

以下の本で、「アメリカンビューティー」について言及あり。

サイファ覚醒せよ!―世界の新解読バイブル

サイファ覚醒せよ!―世界の新解読バイブル

 

「名状しがたい、すごいもの」を通じて「端的なもの」として経験される瞬間を描く。

 

「世界」のありそうもなさに戦慄し、「社会」を忘れて癒されます。

 

一部を抜き出してみましたが、この文だけではほとんど伝わらないかもしれない。今回は、「アメリカンビューティー」と、私の「感覚」という文脈で意味を補強できれば、と思う。

 

こちらの記事でより詳しく解説している。

interaction.hatenadiary.j

 

 

こうした規定されたものから成り立つ「社会」の中から、偶然に本質的に未規定な「世界」が見えて「しまう」場合、それが「名状しがたい、すごいもの」として現れる。 

 

すごいものを感じてしまう、その背景がこれだ。「名状しがたいすごいもの」とこの映画の関係をもっと考えていこう。

 

 

 

「世界」のありそうもなさと「名状しがたいすごいもの」

どちらのシーンでも、その一瞬に「世界」のありそうもなさが現れている。登場人物たちと「私」は、その可能性に「社会」を忘れて癒されるのだ。それがあの「感覚」の正体だろう。

 

その体験は、「名状しがたいすごいもの」の一端をわたしたちに示す。「すごい」と体感してしまう感覚、皆さんも経験があるはずだ。例えば、桜を眺める理由。桜という自然の力に圧倒されるだろう。

 

その他にもいろいろな場面で、この「感覚」を知っている人は多いはずだ。

 

リッキー青年は、ビニール袋が舞う映像と同じようなものを、レスターの死に顔にも感じ取ったのだろうか。

 

彼は、生前のレスターが変わっていく様を知っていた。そして、彼の「終わり」もその目で確かめた。

 

そこには、彼の「一瞬だけでもの充実さ」の発散があるように見えた。そして、「名状しがたいすごいもの」が、一人の人間から漏れ出している。

 

言葉という「社会」を飛び出た何か、それを感じ取れるアンテナをわたしたちはまだ持っているのだ。そして、「世界」を知れば、私自身の実存、つまり生き方をメタ化できる。だから、こうした体験はとても貴重だと思う。

 

 

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まとめ

・世界はそもそも未規定だからこそ、「名状しがたいすごいもの」を体感してしまう

・それによって社会を忘れることができる

・これら感覚を体験させてくれる映画だということ

 

映画「アメリカンビューティー」を違う角度から見つめることができたでしょうか?哲学などで議論されていることが、こうして感覚的に映画で表現されているのは面白いものです。批評の一つとしても楽しめます。

 

ぜひ、これらを踏まえつつ映画を見てみてください。