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【数理論理学、数学基礎論、プログラム理論、計算論】 おすすめ入門本 まとめ

記事の内容

この記事では、数理論理学、数学基礎論、プログラム理論、計算論などの分野にまたがるおすすめな本を紹介したい。

 

軸として、「コンピュータは数学者になれるか」という本を挙げたい。この本では、巻末にて、さらなる専門書が紹介されている。この本の紹介が、初学者である私にはとても参考になった。それらの本を今回の記事では紹介したい。ほかにも個人的に読んでみてよかった本も、今回の記事には追加してある。

 

教科書、専門書の紹介が多くなる。

数理論理学、数学基礎論とプログラム理論、計算論などをつなぐようないい地図を初学者は欲しいと思う。そのためにも、こうして記事にしておきたい。ぜひ目次に目を通してみてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

コンピュータは数学者になれるのか 数学基礎論から証明とプログラムの理論へ

 

コンピュータは数学者になれるのか? | 照井一成 | 数学 | Kindleストア | Amazon

 

数学基礎論、論理学、人工知能、プログラムをまたぐ、とんでもなくエキサイティングな本になっている。

 

この分野に興味がある人は、この本をまずは手に取ってみるのがいいと思う。横断的にそのおもしろさを体感できる。この本の丁寧なところは、巻末に各専門書の紹介もされているところ。この記事では、それらの本を一冊ずつ取り上げていきたい。

 

 

この本の内容そのものについては、こちらの記事でまとめている。

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数理論理学

 

情報科学における論理

 

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情報科学のいろいろな分野で最近とみに数理論理学が用いられるようになってきた。多年にわたる講義やセミナーでの経験をもとに、最も大切な《基本的な考え方を完全に理解すること》を目標に書かれた新しい入門書。

情報科学における論理|日本評論社

 

 

 

数理論理学 鹿島亮

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論理,とくに数学における論理を研究対象とする数学の分野である数理論理学の入門書。ゲーデルの完全性定理・不完全性定理をはじめとした数理論理学の基本結果をわかりやすくかつ正確に説明しながら,その意義や気持ちを伝える。

 

 

 

数理論理学 戸次大介

数理論理学

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さまざまな分野で用いられている論理学.本書は哲学系・数学系・情報系・言語系のいずれかに偏ることなく,その共通部分となる初歩の部分が身につくことを目指したテキストである.予備知識はいっさい仮定せず,一からていねいに解説する.具体例や演習問題も豊富.

 

 

 

論理学 野矢茂樹

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現代論理学という知の風景へ誘う,文科のための入門書.初心者の素朴な疑問と驚きに満ちた,不思議の国への旅だち.豊富な問題・論題を設け,説き明かすことよりも,読者への問いかけを意図した.

 

著者が哲学者なだけあって、「論理」を幅広く考えることができる。論理学の基本的な考え方を吸収することができる。

 

 

 

記号論理入門 前原昭二

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記号論理の入門書として最適のものとして知られている旧著に、安東祐希による補足を加え「新装版」として刊行。

 

 

 

 

 

ここからは個人的おすすめ本!!

 

 

はじめての数理論理学 山田俊行

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個人的におすすめしたいのが次の本。数理論理学の基礎をやさしく教えてくれる。そもそも、数学における「証明」ということの確認から始めてくれるので、とても親切。 

 

 

この本については、こちらの記事もおすすめ。

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証明と論理に強くなる ~論理式の読み方から,ゲーデルの門前まで~

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論理的に考えるとはどういうこと?証明するってどういうこと?という問いに簡潔に答える論理と証明のための徹底解説本です。論理に強くなるためには,論理記号に対するアレルギーを克服することが第一です。本書は,「かつ」「ならば」などの基本的な論理記号からまず入ります。論理記号や論理式には解釈を逐語訳のように併記するので,臆することなく読み進めてもらえます。そして数学の問題で出てきた「証明」の考え方へと話を進めます。論理と証明の考え方を習得することがゲーデル不完全性定理の理解につながることにも言及します。

 

 

 

 

証明の読み方・考え方〔原著第6版〕: 数学的思考過程への手引き

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数理論理学のベースは、証明。

証明になれるための貴重な一冊。

 

 

 

 

数学は言葉 新井紀子

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数学は言葉である、という態度。

数学の基礎を改めて学びたい人におすすめ。

 

CHAPTER 1 定義とは何か
1.1 論理の誕生
1.2 どう定義すべきか
1.3 数学の辞書

COLUMN 数学と言葉 野崎昭弘

CHAPTER 2 数学の文法
2.1 命題の対象
2.2 性質の表現
2.3 数学の接続詞

CHAPTER 3 和文数訳
3.1 数訳のコツ
3.2 論理結合子の解釈
3.2.1 場合に分ける「:または」
3.2.2 箇条書きでまとめる「:かつ」
3.2.3 反対の反対は賛成「:否定」
3.2.4 前提と結論をつなぐ「:ならば」
3.2.5 置き換えと変形「:同値」
3.2.6 変数を扱う「:すべて」と「ある」
3.3 論理記号の規則
3.3.1 交換法則・結合法則・分配法則
3.3.2 対偶
3.3.3 ド=モルガンの法則

CHAPTER 4 数文和訳
4.1 なぜ数学教科書の日本語は難解か
4.2 グラフのちがいを数文で表現する
4.3 イプシロン-デルタ論法
4.4 微妙な差異を読み解く
4.5 数訳の困難

CHAPTER 5 かたちから言葉を見る(影浦 峡)
5.1 文のかたちに訴えるとき
5.2 コンピュータが言葉を使う
5.3 かたちを追究すると・・・・・・
5.4 それでもできないこと
5.4.1 情報の入れ込み方・慣用
5.4.2 状況や文脈に依存した表現
5.4.3 言葉はモノでもある
5.4.4 とても複雑な文
5.5 ところで人間は,といえば・・・・・・

CHAPTER 6 証明とは何か
6.1 見ること,わかること
6.2 事実と証明
6.3 証明の形式

CHAPTER 7 数学の作文
7.1 集合と論理
7.2 証明を書いてみよう
7.3 数学的帰納法
7.4 「補題」はなぜ必要なのか

 

 

 

 

 

 

数学基礎論

 

数学基礎論 新井敏康

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特別な予備知識を仮定せずに、数学基礎論における核心的な結論、技法やアイデアをもれなく説明した本格的な教科書。「不完全性定理」や「連続体仮説の独立性証明」などの結果が、どのような考え方によって得られたのか、その完全な証明を通して解説する。より深い理解のために豊富な演習問題と丁寧な解答を付した。

 

第I部 入門篇
第1章 1階論理入門
第2章 計算理論入門
第3章 不完全性定理

第II部 基礎篇
第4章 「基礎篇」の準備
第5章 モデル理論
第6章 計算理論
第7章 集合論
第8章 証明論

 

 

 

 

 

ゲーデル 不完全性定理

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翻訳者、および解説の著者の一人の林晋です。この本は、最初から主に解説を読んでもらうことを意図して企画された岩波文庫としては特異な一巻です。その解説は、不完全性定理の数学的理解のための入門的解説ではなく、この定理の数学史における位置と意義の解説を主目的としています。岩波文庫の哲学の巻よりは易しいですが、かなり高い文系の理解力を持つ読者を想定して書いてあります。教科書などで既に不完全性定理を理解した読者が、原典を確認し、また、その数学史における意義を理解したい時に読むと最適ですが、数学的内容の理解は一先ずおいて、この定理の歴史的な意義を理解したいという読者にも適しています。ただし、8章の「論文の構造」だけは、ゲーデルが、原論文をどうしてあの形に書いたかを解明する数学的なテキスト分析になっており、ここだけは、相当なレベルの数学的能力をもってる読者を想定して書きました。

Amazonより

 

 

 

 

不完全性定理 菊池誠

不完全性定理 | 菊池 誠 |本 | 通販 | Amazon

 

不完全性定理をとりまく数学基礎論の世界
 本書は,専門的な予備知識は仮定せずに完全性定理や計算可能性から論じ,第一および第二不完全性定理,Rosser の定理,Hilbert のプログラム,Gödel の加速定理,算術の超準モデル,Kolmogorov 複雑性などを紹介して,不完全性定理の数学的意義と,その根源にある哲学的問題を説く。

 

この本もすごい。不完全性定理を深掘りするための、数学の基礎付けの議論が丁寧。そこに現れる数学というものの分からなさについてまで言及がある。数学の哲学についての議論があるおかげで、数学の基礎を本当の意味で意識できる。

 

 

 

証明論入門 竹内外史

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還元法による証明論という数学基礎論の一分野への導入という一貫した姿勢で,従来の論理関係の教科書に見られない内容を扱って初歩から解説。『証明論入門(数学基礎論 改題)』として1988年に改題発行後,以来,長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度,多くの読者からの要望を受け再発行するものです。

 

 

 

数学基礎論講義 不完全性定理とその発展

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数学基礎論の出発点でもあるゲーデルの不完全性定理。本書はこの不完全性定理を主題とし、数理論理学の基礎から現在までの不完全性定理を超えた研究の流れを捉えた、数学基礎論における入門書である。

 

 

 

 

ゲーデルと20世紀の論理学 1~4

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本シリーズは、ゲーデルの仕事を基点に20世紀の論理学の歩みを振り返り、公平な歴史認識のもとで、現代論理学の核となる概念や事実を立体的かつビビッドに解き明かそうという試みである。第1巻では20世紀のロジック全体を鳥瞰し、また日本を代表するロジシャンたちの案内で研究現場の様子を等身大に観る。

 

 

 

 

ゲーデルの定理 利用と誤用の不完全ガイド

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「革命」ばかりが語られてきた不完全性定理について、本来の定理としての醍醐味を語る。ゲーデル、チューリングをはじめとする驚くべき頭脳がシステムの性質を探る、創造性あふれる営みを垣間見る旅。しかも数々の誤用例を素材に、ゲーデルの定理では言えないことまでを徹底的に点検し、定理の射程を明らかにしている。認知科学、物理学、神学、ポストモダン批評など、思いつくかぎりの分野から誤用・誤解の事例がとりあげられている。誰もが陥りやすい錯覚や、緻密な考察の末の誤りも多く、著名な科学者の文章でさえ例に漏れない。同じ轍を踏まないためにもゲーデルの定理を引用する際にはとりわけ必読の書である。

 

 

www.buchinuku.work

 

 

 

 

ここからは個人的おすすめ本!!

 

 

 

現代思想 総特集 ゲーデル

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20世紀最大の数学者・ゲーデルに迫る。
証明不可能な命題は常に存在し、誰も自身の無矛盾を証明することはできない―ー。
20世紀以後の数学および哲学の展開を規定するメルクマールとなったゲーデルの「不完全性定理」。
本特集では、数学・哲学・物理学等の視点から、その尽きせぬポテンシャルを再検証する。
ゲーデルによる重要論考および詳細な解説も収録。
初版刊行から10年。多数のご要望にお応えして待望の復刊。

 

哲学的な興味がある人はより楽しめるはず。数学から哲学的な考察まで、かなり刺激的。不完全性定理というものを、最新の論者、学者がどうとらえているのかが分かっておもしろい。

 

 

 

不完全性定理というテーマについては、次の記事にまとめている。いろいろなおすすめ本を紹介している。

interaction.hatenadiary.jp

 

 

 

 

 

プログラミング理論、計算論、コンピュータサイエンス

 

 

・計算理論の基礎(1~3)

 

 

 

 

本書は,Sipser教授のMITでの講義ノートをもとにまとめられたものです。計算の理論の主テーマである,オートマトンと言語の理論,計算可能性の理論,そして計算の複雑さの理論をカバーしています。
 「まえがき」を含めて,随所に講義の雰囲気が感じられます。定理を述べたあと直ちに証明に取り かからず,証明のアイディアを与える工夫,証明の失敗例に言及して理解を深めさせるなど,教育的 配慮の行き届いた教科書だと言えましょう。――訳者まえがきより

 

 

 

 

・計算論 計算可能性とラムダ計算

 

計算とは何か、計算できる関数全体は数学的にどのような構造をもっているか、などといった問題について考察する。

 

ラムダ計算についてくわしい教科書。関数型言語に興味ある人にも、おすすめ。

 

 

 

・プログラミング言語の基礎概念

 

関数型言語MLの一種Objective Camlを題材としてプログラミング言語の意味論,型システム,プログラミング言語の基礎概念,これらの概念間の数学的な関連を学ぶ.
オンライン演習システムを用いて,「証明」を解答とする演習問題の正誤をWeb上で自動判定することもできる. 

 

プログラムの厳密な意味とは何だろう?

関数型言語の理論を学びたい人、プログラミング意味論に興味ある人には、最初の一冊としておすすめ。

 

 

 

 

・論理と計算のしくみ

 

命題論理・述語論理や様相論理など形式論理の基礎を学んだあと、ゲーデル不完全性定理を通して「計算」の意味を理解する。さらに計算モデルの典型であるラムダ計算について学習し、論理と計算をつなぐ「仕組み」を理解する。

 

この分野の全体の外観をつかむのにちょうどいい。コンパクトにまとまっている。

 

 

 

 

・コンピュータサイエンス入門 アルゴリズムとプログラミング言語

 

パソコン時代にふさわしい計算機科学の教科書.いかに効率のよいアルゴリズムを設計するか,またプログラミング言語はどのように作られ,実装されるのかなど,初学者にとって必要最小限の基礎を明快に解説.プログラムの意味と論理を解説した別巻と併せて,理論の基礎は完全に修得できる.著者らの秀逸な思想が貫かれた1冊.

 

悲しいことに現在絶版か。

 

 

 

・コンピュータサイエンス入門 論理とプログラム意味論

 

計算機が正しく指示通りに動くためには,論理的に無矛盾で意味に曖昧さのないプログラムが記述されていなければならない.この当然と思えることが成り立つのは数理論理学とプログラミング言語の意味論の研究のたまものである.本書は,その基本的なところを紹介し,新しい情報の表現や処理の方法を創造するための指針を与える.

 

 悲しいことに現在絶版か。

 

 

 

 

 

まとめ

参考になるような本はあったでしょうか?

 

こういった分野にまず興味がある人は、まずは「コンピュータは数学者になれるか」という本を読んでみてほしい。とてもおすすめである。

 

そのあと、各分野をじっくりと学んでいくのがいいかもしれない。その範囲はとんでもなく分厚いので、何年もかかると思う。楽しんでいきたい!!

 

 

 

 

 

 

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